愛媛でもできます!
お遍路巡り

弘法大師(空海)ゆかりの寺院をまわり、参拝祈願するお遍路。四国遍路の始祖衛門三郎の里「石手寺」や納札の始まりとされる「札始大師堂」など、それにまつわる多くの足跡があります。ご自身のお好きなルートで、愛媛松山のゆかりある寺を巡ってみてはいかがでしょうか♪

そもそもお遍路とは?

「お遍路」とは、約1200年前に弘法大師(空海)が修行した88の霊場をたどる巡礼のことで、お遍路する人のことを「お遍路さん」と呼びます。巡礼の旅は徳島からはじまり、高知、愛媛、香川の順にめぐるもので、世界的にも珍しい「回遊型」の参拝ルートが特徴です。その道のりは約1400kmにも及び、一番札所霊山寺から順番にまわって、最後の大窪寺が八十八札所になっています。最後までまわると、結願・満願といいます。札所の番号順にまわってもその反対でも構いません。最近は参拝する目的も多様化していて、健康祈願や近親者の供養、健康増進、自分探しの旅など、人によって実にさまざま。地元の人の笑顔やあたたかいもてなし「お接待」も魅力のひとつで、四国遍路ならではの風習に心が癒されます。

お遍路の4つの基礎知識

お遍路の心得

札所参拝方法

読経方法

遍路用品

お遍路の心得
基礎知識その一

お遍路は国籍、宗教、社会的地位、初めての方、先達、早く歩かれる方、ゆっくり歩かれる方、お金のある方ない方などまったく無縁で平等な世界です。白い巡礼の衣装を身に付けた一人の巡礼者とお大師様とふたりで巡ることが「お遍路」です。そして修行の地でもあります。お接待、四季、愛でる草花など時速約四キロの世界をお大師様とふたり、ごゆっくりお楽しみください。

札所や道中で

道中たくさんの出会いがございますが、これはお大師さまのサプライズなのかもしれません。歩き遍路の基本は自己責任です。お四国は善意で成り立っている世界ですが、残念ながら悪意も潜んでいます。特別な世界ではありませんので詐欺・置き引き・たかりなど、特に女性の方は性犯罪などに合わぬようお気を付けください。お四国では歩き遍路中、普通の人(俗なる存在)から聖なる存在(お大師様)となります。お大師様のお心をもって行動していただければ幸いです。また、お四国病にもお気を付けください。

お納経(おのうきょう)について

本来「納経」とは、文字通り「経」を「納める」ということで写経を納めその「受取証」として納経帳などに朱印をいただきますが、現在では写経を納める代わりに納札を納め、納経帳などに朱印をいただくことが多くなっています。巡礼の証。納経料の金額に決まりはありませんが、相場(目安)は以下の通りです。

札所参拝方法
基礎知識その二

一、山門(さんもん):合掌し一礼

山門にて脱帽(菅笠は除く)、合掌し一礼します。山門までお迎えに来てくださり、帰るときには見送ってくださる仏様へのお礼です。

二、手水(ちょうず・てみず):手と口を清める

手洗い所(トイレのことではありません)で身を清めます。手を洗い、口をすすぐことは、身体の外と内を清める行為です。左手→右手の順に水をかけ、左手で受けた水で口をすすぎ、残りの水を柄杓の柄に流してすすぎます。

三、鐘打ち(かねうち):お参りに訪れたご挨拶・お声掛け

鐘を打ち鳴らして、仏を礼拝し、誓いを立てます。出鐘(戻り鐘)は古来より縁起が悪いと言われ、出る金とも言われたりします。出鐘、戻り鐘を突かれたら、最初からお参りのやり直しとなります。訪問宅から帰る時にチャイムを鳴らして立ち去るのと同じことです。

四、本堂(ほんどう):灯明・お線香をお供え

ロウソクは心の灯す智恵。線香は仏様がお好きな香りですので香でおもてなしをします。次にお参りされる方がやけどをしないようロウソクは奥より、お線香は真ん中からお願いします。お賽銭、納札(1~4回目は白札)、写経(持参の場合)を納めてください。お堂に備え付けの鐘・鰐口(ワニグチ)がある場合はそれも静かに打ちましょう。

五、本堂・大師堂(ほんどう・だいしどう:お参り

本堂、大師堂でのお勤めの際は他の皆さまの迷惑にならないよう正面を避け脇に寄り、数珠をすり、合掌して経をお唱えします。

六、納経所(のうきょうしょ)

納経(ご朱印)は各札所でご本尊さまとお大師さまに経を奉納し、ご縁を結んだ「しるし」にいただくものです。そういうことから納経と呼ばれています。納経はご本尊さま、お大師さまご参拝後にお願いします。納経時間は午前七時から午後五時までとなります。

七、山門(さんもん)

歩き遍路道はお寺の横などから入ることがありますが、山門より入り、山門より出るようお心がけください。また、境内のベンチは皆様が休憩される所です。リュックなどの荷物を置いたままのお参りはなさらないようお気を付けください。

読経方法
基礎知識その三

お遍路修行では、各札所のご本尊さま(本堂または金堂)とお大師さま(大師堂)に、お経を(読経、写経等で)奉納いたします。霊場会では下記の勤行次第を推奨しております。

合掌礼拝(がっしょうらいはい)

胸の前で合掌し、三礼しながら「うやうやしくみ仏を礼拝したてまつる」と唱えます。

開経偈(かいきょうのげ)

「開経偈」を一返唱えます。

懺悔文(さんげのもん)

「懺悔文」を一返唱えます。

三帰依文(さんきえもん)

「三帰(さんき)・三竟(さんきょう)」を三返づつ唱えます。

十善戒(じゅうぜんかい)

「十善戒」を三返唱えます。

発菩提心真言(ほつぼだいしんしんごん)

「発菩提心真言」を三返唱えます。

三摩耶戒真言(さんまやかいしんごん)

「三摩耶戒真言」を三返唱えます。

般若心経(はんにゃしんぎょう)

「般若心経」を一巻唱えます。

ご本尊真言(ごほんぞんしんごん)

各札所の「本尊真言」を三返唱えます。

光明真言(こうみょうしんごん)

「光明真言」を三返唱えます。

ご宝号(ごほうごう)

お大師さまの「ご宝号」を三返唱えます。

回向文(えこうもん)

「回向文」を一返唱えます。

合掌礼拝(がっしょうらいはい)

「ありがとうございます」と述べ、合掌し礼拝をします。

遍路用品
基礎知識その四

巡礼前に準備したい必需品
納経帳(のうきょうちょう)

本来「納経」とは、文字通り「経」を「納める」ということで写経を納めその「受取証」として納経帳などに朱印をいただきますが、現在では写経を納める代わりに納札を納め、納経帳などに朱印をいただくことが多くなっています。巡礼の証。

納札(おさめふだ)

各札所の本堂と大師堂の二カ所の納札箱に納めるお札。お接待を受けたときのお礼にも使用します。色は巡礼回数で決められており、1~4回は白札、5・6回は緑札、7回~24回は赤札、25~49回は銀、50回~99回までは金、100回以上は錦札となっています。その他ロウソク・お線香・お数珠・お賽銭等。

ゆっくり揃えたい4つの必需品
白衣(びゃくえ・はくえ)

道中衣はもともと死装束(しにしょうぞく)としての意味が込められていましたが、現在では現世において功徳を積み重ねてご利益を得ようとする修行者の正装着です。白衣を着て歩くと一目でお遍路さんだと認識されるため、道を間違えていると教えてくださったりお接待を受ける機会が増えたりします。

輪袈裟(わげさ)

修行の身であること、自らを戒める、悪霊払いの意味もあり霊場巡拝の正装具です。巡礼中は必ず身に付けたいものです。

金剛杖(こんごうづえ)

お大師様の分身です。杖を持つことでお大師様とともに四国遍路を巡礼できると言われています。お大師様の分身ですので道中で先端が擦り減って広がってきたときは道に擦るなどして滑らかにし、決して刃物で削ってはいけません。また橋の下ではお大師様がお休みになられているという言い伝えから、橋の上では杖をつかないよう心がけましょう。

菅笠(すげがさ)

白衣と同様で歩き遍路と認識され四国の方々との出会いのきっかけになります。直射日光を遮断、通気性もよく日除け、熱中症対策・雨具・クモの巣など虫対策にもなり、歩き遍路にとっての必需品だと思います。梵字を正面に向けておかぶりください。

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